運動のススメ うん!どう?

第15回  よく噛む習慣のススメ

よく噛んで食べていますか?

噛む回数は現代に近づくほど減っています。

私たちは、食事をする際に、口から食べ物を噛んで食べています。
よく噛んで食べることは、健康に良いとされていますが、現代人の噛む回数は確実に減っています。たとえば、弥生時代の4,000回から江戸時代1,500回、戦前の1,420回に比べると現代では620回にまで減っています。噛むことは、「脳を良く使い、働かせる」と言われています。食べ物を噛むという行為は、味や触感などの感覚情報を脳に伝え、脳を活性化し、脳の思考や学習などをつかさどる部位の働きも高まります。よく噛むことは、高齢者の記憶や認知機能が維持・向上するという研究結果もあり、単に食べものを体に取り入れるためだけではなく、全身を活性化させるのにたいへん重要な働きをしています。

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ひみこの歯がいーぜひみこの歯がいーぜひみこの歯がいーぜ

いっぱい噛んでパワーアップ!!

「スポーツ」するにはお口の健康が欠かせない!

「ひみこの歯がいーぜ」からもわかるように、よく噛んで食べることは、肥満を防いだり、脳の発達、体力の向上など、とても良い影響をもたらしてくれます。皆さんは、日頃何か「スポーツ」をしていますか?平成23年の調査によると、過去1年間に「スポーツ」を行なった人は約7,200万人(総務省調べ)。幅広い年代で多くの人がスポーツを楽しんでいます。実は、スポーツで十分に力を発揮するにも歯とお口の健康はとても大切なのです。

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アスリートは歯が命?!

一流アスリートは歯をとても大事にするといいます。海外で活躍しているプロサッカー選手が、かかりつけの歯科医院で歯の治療を受けるためにわざわざ帰国して、話題になったこともあります。また、日米通算4,000本安打を達成したイチロー選手は、1日5回歯を磨くそうです。
たとえば、重量挙げなど人間が瞬発力で筋力を出すときは、思いっきり歯を食いしばっています。奥歯を食いしばることによって力が出ます。歯を食いしばったときに、奥歯にかかる力は約50〜70kg。力士の場合は100kgを超えるほどのパワーを生み出し、運動能力を極限まで高めるといわれています。
また、体のバランス感覚のために咬み合わせはとても大切です。歯と歯がきちんと咬み合うことで、頭の位置が固定されて、腰の位置も安定するからです。咬み合わせが悪いと、歯を食いしばっても最大限の力を出すことができません。左右どちらかだけでしか咬めないと、体の筋肉の付き方も左右で変わってしまい、アンバランスになってしまいます。
食事のたびに「噛む」ということを家族で意識し、よく噛む習慣をつけましょう。

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子どもの歯の健康とスポーツ運動能力が高い小学生は噛む力も強い!けがで歯が抜けたときの対処方法
トライルの先生に聞きました!トライルの先生に聞きました!先生たち、噛む回数少なすぎない?よく噛んで食べようね。おやつや食事を工夫しよう!